シスプリTCGまとめ

このblogへのリンク元をみると、最近、「シスタープリンセス」+「カードゲーム」とか、それに類する単語での検索結果から辿り着いているケースが多い。
G'sマガジンの読参企画がTCG化されるのは、TCGユーザの想像以上に非TCGユーザの注目を集めている模様だ。WSにリリカルなのはシリーズが参戦した時に状況が近いのかも知れない。
シスプリの他、『ベイビープリンセス』『マリッジロワイヤル』『おひめさまナビゲーション』がTCG化する。
困った事に、ブシロードブロッコリーの2社から別々のTCGにて発売される*1
情報が錯綜してるだろうから、情報の整理と、TCG経験者から見てどちらのTCGに手を出すのが適切なのかを考察してみた。

情報の整理

■『ヴィクトリースパークTCG』(VSTCG)
http://svsm.jp/vs/
ブシロード社製。ゲームデザインは遊宝洞。
新規のTCGブランドであるが、同社の『サンデーvsマガジン』とルールが同じ。両方のカードを混ぜて遊ぶことも理論上は可能だが、カードの裏面が異なるので、現状ではそのようなイベントは企画・想定されていない模様。
参戦タイトルは『シスタープリンセス』『ベイビープリンセス』『マリッジロワイヤル』と1つ少ない。
VSTCGブランドでの今後の参戦タイトルは不明。雑誌単位でエキスパンションを発売するブランドらしい。また、「歴代のヒロインたちが集う夢のカードゲームが今、始まる」「あなたのヒロインたちが物語を奏でるTCG」と言うキャッチコピーから、サンデーvsマガジンとは異なって美少女系のタイトルしか参戦しない事と、雑誌単位の強みで最新作とある程度古い人気作品が混在して参戦する事が読み取れる。*2

ブシロード社のTCGは基本的に、そのままゲームを始められる構築済みのデッキ(トライアルデッキ)を先に発売した後、ブースターを発売する。
大会も、トライアルデッキのカードのみの大会を店舗レベルで企画され、ブースターが出たらトライアルデッキ+ブースターのみの大会(タイトルカップ)を企画する。
その後は、毎月、参加賞プロモが変更されるショップ大会と、年3回の全国大会が企画される。
全国大会は、店舗予選→地区決勝→全国決勝と言う流れで企画される。
店舗予選は店舗別に開催され、参加費は店舗が自由に決められるが、300円以下or500円以下の商品購入と言う縛りがある。
地区決勝は参加費無料で、店舗予選で出場権を得た人間が参加確定の他、当日枠もある。開催は現状全国8地区だが、来年から倍の16地区に拡大される。
全国決勝は地区決勝を勝ち残った人間のみが参加可能で、ブシロードから交通費が出る。
また、地区決勝・全国決勝はある種のお祭りで、出場権の無い人も楽しめるようサイドイベントが企画される。ゲームの対戦の他、特定カードをコレクトした枚数を競う『無限回収グランプリ』なんてのも企画されたことがある。

重要なポイントとして、ブースター単位でゲームが遊べると言う点が挙げられるだろう。
他の雑誌が第2弾・第3弾のエキスパンションとして入ってきた場合、標準となる構築ルールはネオスタンダードと呼ばれる、雑誌単位で構築したデッキ同士の対戦となるだろう。
つまり、自分の知らないアニメ・ゲーム・漫画・ラノベのカードを無理して買う必要が無いと言う事だ。

■『プロジェクトレヴォリューション』(プロレヴォ)
http://pro-r.jp/index.html
ブロッコリー社製。ゲームデザインは遊宝洞。
主に角川グループの作品とブロッコリーの作品が参戦してるTCG。代表的な参戦作品を挙げると『苺ましまろ』『ケロロ軍曹』『らき☆すた』『涼宮ハルヒシリーズ』『生徒会の一存』『ギャラクシーエンジェル』シリーズなど。
今回のG'sマガジン読参企画からの参戦タイトルは『シスタープリンセス』『ベイビープリンセス』『マリッジロワイヤル』『おひめさまナビゲーション』と、おひナビの分が多い。

イベントの開催具合は、ブースター単位のイベントが無い事を除いてVSTCGの差は無い。月単位で参加賞プロモが変わる販売店レベルの大会と、全国大会関係のイベントがメインだ。
全国大会イベントは年2回で、地区決勝は7地区だけだけど。

どちらを遊ぶべきか?の考察

TCGを楽しむのに一番必要なのは対戦相手である。
(1)プレーヤーの有無を調べる
大都市圏なら、どちらも充分なプレーヤーが居る。
地方の場合、既存のプレーヤーが居ないかもしれない。
プレーヤーの有無は、その地域で大会が開かれているかで調べる事ができる。大会の有無はオフィシャルサイトの以下で参照可能である。
・VSTCG
http://svsm.jp/vs/event/index.html
プロレヴォ
http://pro-r.jp/event/official/index.html
http://pro-r.jp/event/tenpo/index.html

片方しか大会が無かった場合は、大会のある方のTCGをやれば良い。
両方とも大会があった場合は、実際に大会の様子を見学してみて、どの位のプレーヤーがいるか確認してみよう(定員の過多は参考にならない。大抵はお店のキャパシティMAXを定員として申請している。常連の他、気紛れに他地域から遠征する人が来るかも知れないからだ)。

(2)プレーヤー数以外の観点
●おひナビが好きな場合
おひナビがあるプロレヴォしか選択肢に上がりませんな。

●他の参戦作品
シスプリ,べびプリ,マリロワ以外のどんな作品に興味があるかによります。
角川グループ作品とかでじこやGAが好きなら、プロレヴォは良い選択肢です。
逆に、その辺りが解らない場合は、ブースター単位でゲームが遊べるVSTCGがお勧めである。

●ゲームバランス
どちらも遊宝洞と言う同じTCGデザイン会社が開発している。
国内のTCGデベロッパーの中では最高峰の信頼性を誇る会社である。
どっちも同じで、ゲームバランスは良くて安心して遊べる。

●原作再現性
どちらも遊宝洞と言う同じTCGデザイン会社が開発している。
実は遊宝洞は、萌え系コンテンツのTCG化が弱い。
VSTCGには「パートナー」と言うシステムがあり、原作で関係の深いキャラクター同士をパートナーにする事で原作の再現性を高める事を狙っている。
このシステム、少年漫画を題材にした『サンデーvsマガジン』では上手く機能していたみたいだ。
また、VSTCGでもトライアルデッキはシスプリの12人の妹全てのパートナーが兄で、その兄の呼び名が「お兄ちゃん」「お兄様」「おにいたま」とちゃんと原作通りに設定されていて、原作再現性が高かった。
が、VSTCGのトライアルデッキ内で良かったのはシスプリだけ。べびプリでは氷柱ちゃんのパートナーが(綿雪ではなく)吹雪と言う意味不明なカップリングになっていた。
また、現状で先行公開されているブースター収録カードでも、意味不明なカップリング。は続く。シスプリでは、咲耶のパートナーが鞠絵だったり、可憐のパートナーが衛だったり。べびプリでは、星花のパートナーが(夕凪ではなく)蛍だったり。*3
多分、VSTCGトライアルデッキでシスプリの原作再現性が高かったのは、ブシロード内にちゃんとシスプリファンがいて入れ知恵した結果なのだと推測される。
VSTCGが原作再現性低い事は解ったが、だからといって、プロレヴォで原作再現性の高さを期待できるかと言うと、そうならない。
デザイン会社が一緒だから、原作再現性は低いままであろう。
この観点からは、どちらでも差が無い。

*1:この傾向は、最近は他の作品でも見られる物である。ブシロードブロッコリーで競合してる例として、『ストライクウィッチーズ』『生徒会の一存』『クィーンズブレイド』等が挙げられる

*2:シスプリは人気高く古参TCGユーザからはTCG化が熱望されていたが、TCGは商業的にタイアップが企画できる最新作でなくでないと商品化が難しく、実現が絶望的であった。他の90年代〜2000年代初頭の人気作品が、最近の人気作品と共にTCG化される可能性がある。

*3:シニヨン萌えの俺的には、星花のイラストがシニヨンしてない水着姿なのも不満