訃報

ゲームデザイナーの中井まれかつ先生がお亡くなりになられそうです。
http://www.aquarian-age.org/topics/080519_topics.html
ご冥福をお祈りします。

アクエリにおいては、中井先生に対して批判が多いのは事実です。と言うか、私が批判派の急先鋒なのですが。
しかし、ゲームの根幹となるシステムを構築する点において、中井先生は非凡な才能を持っていました。
アクエリのパワーカードシステムと分類システムは非常にユニークで、ゲームに複雑な戦略性を与えています。
また、アクエリのダメージ判定システムは、適度な運要素を混ぜつつ、実はプレーヤーの意志によって構築段階である程度の操作を可能という、なかなか素晴らしい物です。近年の成功したTCGは「相手にダメージを与える事が、同時に相手にリソースを与える事にもなる」と言うシステムが必ず組みこまれるのですが*1、ダメージ判定でキャラクターが沸くというシステムは、この流れを先取りしたものでした。
しかも、これらのシステムを、TCGが黎明期だった90年代に確立したのです。

実際、私は中井先生がデザインした言う点を買って『サクラ大戦DCG』に手を出しました。第2エキスパンションの発売と前後して引退したのですが、少なくとも最初のカードセット内で遊ぶ分には、こちらの期待を裏切らないデキの良さでした。

夭逝が惜しまれます。

*1:劣勢な側にリソースを与えて、ゲームを均衡状態に近づける事で、一方的なゲーム展開を回避し、ゲームとして楽しめるものにする目的がある。2000年代に入ってからデザインされたTCGで多く採用されている。代表的な所ではDM,D0,プロレヴォなど。WSにも採用されている。