鳴・飛対策論

今の環境で、デッキパワーと安定性では鳴飛金棒のデッキが飛び出ているだろう。
基本的な勝ちパターンは3つ。
・《鳴》のCIP効果で場を荒らして相手の展開を遅らせ、《金棒》でビートダウン。
・《飛》のCIP効果で場を荒らして相手の展開を遅らせ、《金棒》でビートダウン。
・《鳴》《飛》のCIP効果で場を荒らして相手の展開を遅らせ、《鳴》《飛》を揃えた所で《飛》エフェクトを使ってコントロール
※CIP効果=「このカードがセットされた場合、〜」なアビリティの事。Comes into Playの頭文字を取ったもの。

2ターン目から打てるマスディストラクション、しかもカウンターされない上に3/4/4トークンが残るカードがデッキに2種8枚入ると来たら、そんなデッキが弱い訳が無いんですよ。

雷電神“鳴”
このカードがセットされた場合、≪ネームレベルでないキャラクター全て≫にXダメージを与える。Xはこのキャラクターのパワーに等しい。
場に颶風神“飛”がいる場合、≪このキャラクター≫に+1/+1/+1する。
4:目標の≪プレイヤーまたはキャラクター1人≫に、このキャラクターの通常攻撃力の数値に等しいダメージを与える。

颶風神“飛”
このカードがセットされた場合、≪パーマネントカード全て≫を捨て札し、≪パワーが精神力に等しいキャラクター≫にセットされているパワーカード全てを、そのオーナーの手札に戻す。
場に雷電神“鳴”がいる場合、≪このキャラクター≫に+1/+1/+1する。
4:目標の≪プレイヤー1人≫の手札全てを捨て札する。

対策が必要なのは以下の3つであろう。
(1)鳴CIP効果
(2)飛CIP効果
(3)飛エフェクト

(1)鳴CIP効果

通常ダメージによる除去への対策は、基本的にシールドorバインドor耐久力の高いキャラを選んでデッキに入れること。
しかし「チャージキャラはシールド持ちorバインド持ちorセプチャしか使わない」は既にデファクトスタンダードになっている。
基本的な対策がなされた上で、このカードの強さが問題となっている。
何が問題かと言うと、ドローキャラや1FXCの軽ブレイクすら焼かれてしまう事。
ドローキャラが焼かれてしまうのは対策の手が無い。被害を軽減する方法としては、メインに使う色のドローキャラを減らす事で、ファクターが減るのを防ぐぐらいしかない。
軽ブレイクについては、シールドかバインドを持った軽ブレイクを採用する事が対策になる。特に、ドローキャラが焼かれる事を見越して、ドロー+1とシールドかバインドを持った軽ブレイクを採用する事が対策になるだろう。一般論として、ブレイクが持つスキルとしてはドロー+1よりチャージ1の方が強いので、その点もデッキ性能ダウンに繋がるが、それでも鳴対策の方を優先するべきであろう。

なお、ファストカード等で一時的にシールドを付けるってのも対策にはなる。しかし、効率が悪いのでお勧めできない。《鳴》CIP効果は防いだとしても、相手の場には3/4/4が残るのに対し、シールドをを付与するファストカードは使い捨てだ。
《狛獅子》をダメージ置き場に落とす? 寝言だね。1発目の《鳴》ブレイクにはまず間に合わないでしょう。

(2)飛CIP効果

パーマネントカードが捨て札されるのはオマケ程度の効果。
問題はパワーカードが手札に戻る効果。
コストが支払えないのだから、次のターンに動けなくなる。なお、パワーカード自体は手札に戻っていてハンドアドバンテージは失っていない。純粋にテンポアドバンテージの見失っているだけである。
プレイングで対策をするとしたら、勢力から支配する時以外、精神力2以上にキャラクターに挿すパワーカードは1枚にし、精神力に等しくなるまで挿さない事だろう。しかし、これは飛の存在に関係なく、基本的なテクニックなので既に実践されている。その上で問題になっているから、さらなる対策が必要である。
対策としては、コストが無くても動けるデッキにする事が有効だろう。
具体的に言うと、軽ブレイクの選択を、シールドやバインドを諦めて1F0Cのものにする事。

また、《飛》ブレイクにレスポンスして支配キャラクターのパワーカードを使える仕組みを組み込むのも、被害を軽減する手立てになる。
具体的には《超常アイドル》《ぐるぐるめがね》などのエフェクトコストバック。フルパワーにして支配した裏のターンに《飛》をブレイクされても、対応でエフェクトを1回使えばパワーが精神力と等しくなくなるので、キャラクターに残ったパワーカードは手札に戻らない。
エフェクトコストバックを持ったキャラクターについては、シールドやバインドを諦めないとならないのがネックである。

(3)飛エフェクト

正直、支配しているキャラクターで劣勢になっている状態で、相手が《飛》のエフェクトが使えるようになってしまったら、挽回するのは難しい。
現状、エフェクトを封じるカードは割とある。
しかし、相手が《飛》のエフェクトを使ってくるのはこちらの勢力フェーズ。相手が《飛》《鳴》を揃える前に対策カードを場に出していない場合、ファストカードでないと対抗できない。
そして、ファストカードは1回だけの使いきり。恒久的な対策にはならない。

恒久的なエフェクト対策と言うと、以下のブレイクが挙げられる。
  《イマジナリー・アイ“万城目 千里”》
  《催眠師“皆川 麗夢”》
  《ディメンジョン・ストレイナー“湯上谷 舞”》
  《現巫女“厳島 美鈴”》
  《エルヴン・ハーミット“シルマリル”》
  《デューク・フリーズ“フリードリヒ・フォン・アイヒェンドルフ”》
  《氷河姫“ミリアム・レムリアース・シリウス”》
しかし、《飛》《鳴》のCIP効果で場を荒らされているので、2F2Cのブレイクならともかく、3F3C以上の重いブレイクが間に合うかは疑問である。

《飛》のエフェクトが強いのは、ドローフェーズの後にくる勢力フェーズに使われて、先ほどのドローフェーズに引いた手札を根こそぎ捨て札されるからである。
ドローフェーズにドローするカードの枚数を抑え、替わりにメインフェーズに手札を得るようなデッキ構成にすれば、相手は《飛》のエフェクトを有効に使えなくなる。
つまり、《超常アイドル》《ぐるぐるめがね》などのエフェクトコストバックを多用すれば良い。

結論

《幽霊女学生》を4積みするのが、《飛》《鳴》両方に効く対策になるような気がする。
それ以外の対策では「《飛》には対策できるが《鳴》に弱くなる」「《鳴》には対策できるが《飛》に弱くなる」のどちらかになる。