『遺伝子の力』先行公開カードに関する考察

要は「ブロッコリーは宣伝が巧いな」って話です。
新規エキスパンションが出る以上、収録されるカードの情報を出す事によって、やはり話題になると言う事が重要なんですよ。
その為には、現状の環境に放り込んだら『壊れてる』って思われるようなカードの情報を出すのが最適なのでしょう。中には過剰に反応する人がいるのも計算の内なのではないでしょうか?

《スクロール》

例えばこのカード。

《スクロール》
プロジェクト WIZ-DOM 1FXC
≪あなたのデッキ≫のコストX以下のプロジェクトカードまたはファストカード1枚をコストを支払って使用宣言する。その後、あなたのデッキをシャッフルする。
メインフェイズ終了時まで、このカードの効果で使用宣言されたカードは必要ファクターを無視して効果を発揮する。

mixiの中では環境の悪化を懸念する意見が多く見られてます。SagaI時代の『2ターン目《ファラオの呪い》』*1が再来するのでは?と解釈されているからです。

まずはルール的な問題から説明しましょう。
このテキスト、fromGAMERSからの転載なのだそうですが、引用した通りのテキストだとしたら、コストがXのカードを使用宣言するには、何コスト支払えばよいのでしょうか?
実は、現状では答えが出せません。
しかし、ルールサマリーには以下の記述があり、捨て札置き場・ダメージ置き場にあるコストXのカードは、X=0と見なされます。

 20-5.X コスト
カード表記に従って変動するコストを表します。X コストのカードには以下のものが存在します。

20-5-a.任意でコストを変更可能で、その後変動しないカード
プレイヤーが任意のコストを支払う事で、効果を変動させることが可能です。
何らかの効果の対象になり、コストを参照しなければならない場合、使用した段階のコストを参照します。また、もしこれらのカードを何らかの効果で捨て札置き場・ダメージ置き場から使用する場合、特に言及されていない場合、X は0 として扱われます。

つまり、引用した通りのテキストだとしたらX=0で《スクロール》を使用宣言する事でコストがXのカードを持ってくることが出来て、そのカードのコストを任意に決めて使用宣言する事ができます。
つまり、《邪印》や《デス》を1FXCでデッキから持ってきて打てると言う事になります。前述の『2ターン目《ファラオの呪い》再来』と言われるのも無理ありません。
まぁ、上記の状況はちゃんとテストプレイしているなら有り得ない話です。現実的には、テキスト修正が行われて、コストがXのカードがケアされるでしょう。かなり望ましくない解決策ですが、Q&Aで「X=2の《デス》を打ちたいなら《スクロール》もX=2で使用宣言しろ。都合4コストでX=2の《デス》が打てる」みたいな裁定が出て、フロアルールとダブルスタンダード状態が引き起こされるかもしれません。

こう言う解釈になったとしても、4ファクターの《デス》が1ファクター有れば4コストでX=2の効果を発揮するのは、ゲーム的にどうかと思います。
他にコストがXのカードには5ファクターの《デス・ルーン》があります。2コストでX=1の《デス・ルーン》、0コストでX=0の《デス・ルーン》が1ファクターで打てます。
下手をすると、SagaI時代の《ちょー銀河こんぴーた りせっとちゃん》の再来です。

・・・と、まぁ、こんな具合に話題になることがブロッコリーの狙いなのでしょう。まんまと釣られてしまいました。
推測するに、《スクロール》で『2ターン目《ファラオの呪い》ゲー』を喰らっても大丈夫なカードバランスなっているのでしょう。
例えば、精神力が1で「プロテクトWIZ-DOM チャージ1 ドロー+1」って能力を持ったキャラクターが、各勢力に2種類ずつ登場しているとか。

《金棒》

《スクロール》ほどではないのですが、このカードも色々と考察のネタが多い先行公開カードです。

《金棒》
ファスト ダークロア 2F1C
メインフェイズ終了時まで目標の<<鬼♀または鬼♂1人>>にペネトレイトを与える。
メインフェイズ終了時まで目標に±0/+3/+3する。

『遺伝子の力』のコンセプトに「分類アイコンをフィーチャーしたカード群を収録」と言うのがあって、ファンデッキ作りに有用だと期待してたのですが、ダークロアで鬼分類強化はねーよ。
SagaI時代みたいに「分類に一長一短の特徴」があるのなら良いけど、SagaII〜Saga3時代は「分類には補給もファッティも揃った強い分類と、それらが揃っていない弱い分類」に分かれている。
ダークロアにおける鬼分類は、強弱で言えば3番手にある分類だ(1番手は《パイモン》《ガルム》を擁する悪魔、2番手は《アシュレイ》《鉢かぶり姫》を擁するヴァンパイア)。
フルパワーの《鉢かぶり姫》が3ターン目に《金棒》抱えてフルスイングされたら正直ゲームが終る。7/7ペネトレイトのアタックが3回来るのだから、精神攻撃力持ちのキャラが居ないと凌げない。
・・・と、まぁ、こんな具合に話題になることがブロッコリーの狙いなのでしょう。まんまと釣られてしまいました。
推測するに、《鉢かぶり姫》なんて使っているとカードパワーで負けるぐらいのカードバランスになっているのでしょう。
ちなみに《鉢かぶり姫》は2F2Cの3/4/4でチャージ2のブレイクです。D0で言うと《犬闘士フェンリル》ぐらいの強さでしょうか。 

*1:2ターン目から相手のメインファクターやドローキャラを除去していく事で、大きなテンポアドバンテージを取れる。1ファクターが0ファクターに減らされ、補給線も失う事は、2ターン分ぐらいのテンポ差を生む。