フォイルとマークドの話

コミケで先行発売、今週末には正式に発売される「らき☆すたパック」の封入カードがフォイルで、向こう1ヶ月くらい「フォイルしか無いカード」が存在する事になってしまいました。この期間、店舗レベルのイベントは「らき☆すたカップ」だけなんだけど、GT地区ファイナルと言う割と大きなイベントもあるので、困ったものだ。
フォイルはすぐに曲がってマークドのカードになる。コレクターアイテムとしては魅力的なんだけど、ゲームをプレイする場合、様々な問題を引き起こします。
アクエリの時、曲がったカードによる不都合を訴えつづけて、散々「フォイルしか無いカードを出すな」って言いつづけて、最終的にアクエリからフォイルが無くなり、SPはホログラム加工になったと言うのに、ブロッコリーには学習能力という物が無いのだろうか?
某所で変な情報が錯綜してるので、現役のD0ジャッジとして信頼性の高い話を書いておきます(D0とPRはフロアルールが共通です)。

まず、基本的な話としてフォイルだから禁止と言う事は無いです。つまり、曲がっていなければフォイルは使用可能です。
その上でフォイルだろうとノーマルだろうと、曲がっていてデッキ内の他のカードと区別が付くならデッキに入れてはいけないのです。

長くなりますがが、フロアルールからこの辺に関する記載を抜き出しておくきます。
http://pro-r.jp/rule/image/pdf/floor-rule_100.pdf

第3章 カード、デッキに関する違反行為と罰則
 本章では、カードのマーキングやデッキ、及びデッキリストに関する問題と、それに関連する違反を取り扱います。
 公正かつ公平な大会を運営するために、プレーヤーは常に正常なカードの使用や正しいデッキリストの記載を心がけなければなりません。
 過失によるこれらの行為も、不正とみなされる場合があります。プレーヤーは常に自分のカード、デッキ、及びデッキリストには細心の注意を払わねばなりません。
(中略)
2.識別できるカードの使用禁止
 適用される罰則:さまざま、故意の場合は<受賞資格の剥奪>
 プレーヤーは、自分のカードおよびスリーブを、印のない、区別の付かない状態に保たなければなりません。カードの表を見なくても、裏や側面等から見て何らかの形でカードに見分けがつく場合、そのカードには印があると判断されます。
 プレーヤーのカードがスリーブに入っている場合、スリーブもカードの一部と見なされるので、スリーブに入っている状態で判断します。
 プレーヤーのデッキ内のカードに印があるかどうかを判断する権限は、ジャッジおよびヘッド・ジャッジが持ちます。
 すべてのプレーヤーは、普段よりカードを丁寧に取り扱い、カード、スリーブとも事前にシャッフルしてからカードを入れるなどして、系統立った印ができる可能性を無くすよう務めなければなりません。
 「印があるカード」は以下のような例が挙げられます。
例1)キズ、変色、反りなどがある
例2)製造ミスにより区別が付く場合
例3)裏側から見える所に書き込みがされている

 この違反は過失か故意かにより、与えられる罰則が大いに異なります。過失であった場合、<注意>から<警告>、もしくは<デュエルの敗北>が妥当です。有利になる可能性が小さい場合、プレーヤーはカードもしくはスリーブを交換して<警告>の罰を受けた後、プレイを進めることができます。有利になる可能性が高い場合は、<デュエルの敗北>が適用されます。以降の試合を続ける際には、カードやスリーブを交換しなければなりません。
 故意であると判断された場合、これは厳罰に処されるべきであり、<受賞資格の剥奪>が妥当です。「第2章 マナーに関する違反行為と罰則 7.一般的な不正」を参照。

曲がっているフォイルは「反りがある」と言う文言で見事にマークドど規定されています。
マークドかどうかは、スリーブに入れた状態で判断します。2重スリーブにしたり硬いスリーブに入れたりして曲がりをフォローし、裏から見て区別が付かなくなれば問題は無いのです。単に2重スリーブとかにしたら許される訳では無い事に注意してください。
次に、与えられるペナルティについて。
らき☆すたのカードだけフォイルでマークドになっている場合は「有利になる可能性が高い場合」に相当しますので<デュエルの敗北>を受けます。他の色のフォイルも同じくらい混ぜてあってフォイル≠らき☆すたの場合は「有利になる可能性が小さい場合」となって<警告>を受けます。
PRはD0より1段階格下げして罰則を適用という記載があるのですが、これは不正行為に繋がる違反ですので、格下げは行われません。ただし、アクエリの全国決勝でのルール適用を見るに、フォイルによるマークドについては甘く見るよう、GT地区ファイナル当日のジャッジに指示が出る可能性は非常に高いです。
ところで、マークドでないカードに交換して継続するのですが、その交換が出来ない場合はどうなるんでしょうか?俺がヘッドジャッジなら、自分の裁量の範囲で代理カードをを発行するけど、フロアルール上は代理カードを発行して良い条件には当てはまらないはず。それ以前の問題として、全参加者のらき☆すたのカード全てに代理カードを発行していたら、大会運営上に大きな支障が出るので実行不能だ。

ちなみ、相手のデッキにマークドのカードが混じっている場合の対処法ですが、気が付いた時点でジャッジを呼んで下さい。フォイルのカードだけより分けてデッキの下に送ったら、そんな行為をした方が「一般的な不正」の適用を受けて<受賞資格の剥奪>を受けますので。

あと、言うまでも無い事だけど、MtGには「フォイル禁止」とか「デッキの70〜80%以上がFoilなら可」なんてトンチカンな取り決めは無いから。ジャッジの人が日本選手権前とかに出す啓蒙文章とか読む限りフォイルの使用はALL or Nothing。つまり、全部フォイルかフォイル無しの2択でし。
http://d.hatena.ne.jp/cdc/20070711 *1
http://d.hatena.ne.jp/yusuke-sonomura/20070706

ついでにスリーブに関して以下を読むと参考になる。
http://diarynote.jp/d/74598/20070628.html

*1:「トライXで万全」「ピーカン不許可」「頭上の余白は敵だ」って『究極超人あーる』のネタですね。懐かしい!!