シーズン制限カード制定

興味深く、面白そうな試みだと思う。

趣旨を要約すると、昔いけっち店長がアクエリでぶち上げた『Bレギュレーション』で実現しようとしていた事を、D0のオフィシャルにやらせたって事ではないだろうか?
アクエリにおけるBレギュの詳細い付いては、結成式に参加したレポを記載した、当時の日記を参照(http://d.hatena.ne.jp/Nakaji_c/20050714)。
アクエリの『Bレギュレーション』は、「しみゆー氏がいけっち店長と組んで何かしようとした」って事で賛同した公認ジャッジはルール面の整備を希望してい為、いけっち店長が提示したアイデアとの間に要求のミスマッチがあり、いけっち店長の理念通りの内容とはならなかった。*1
しかし、『Bレギュレーション』に参加した公認ジャッジの要望を、いけっち店長は汲み取り、ブロッコリーに働きかけた結果、「Q&Aの整理」*2「ルールサマリーの制定」「フロアルールの制定」*3が実現した。これらのルール整備は、いけっち店長の掲げた『Bレギュレーション』の理念とは異なるものであるが、『Bレギュレーション』運動の成果となった。

閑話休題
トーナメントレベルで多用されているカードを軒並み制約する事で、他のカードをにスポットが当たり、デッキ構築の幅が広がる。
いけっち店長は、店舗内のイベントでこの手の実験を色々と行っていると聞いている。その成果を元にこの企画が実施されているなら、楽しみな試みであると言える。

ただ、気になるのはシーズン『制限』カードである事。
デッキに1枚しか入らない『制限』カードを増やすのは、納得し難い運ゲー要素を高めるリスクを孕む。
期間限定なら、デッキに1枚も入れられない『禁止』にしても構わないのではないだろうか?

*1:当時は新規エキスパンション発売に伴って、いわゆる「スタンダード落ち」が行われた直後であり、ゲームバランスがリセットされた時期であり、新環境を試す前に文句を言う事に反対する意見もあった。スタッフが変わった訳ではないので大幅なテコ入れは期待できないが、「公認ジャッジをしているユーザをテストプレイに招聘して意見を求める」という企画の第1回目が行われたエキスパンションであったので、その成果で改善する可能性はあった。
ただ、実施日の翌週辺りで『ゲームぎゃざ』誌に一部カードのテキストが発表され、雑誌に掲載されたカードはそのままのデザインでエキスパンションに収録された為、「ユーザを招聘したテストプレイは実施されなかった」「ユーザを招聘したテストプレイの実施はポーズだけで、実際に意見を聞く意思が無かった」と言う憶測が流れ、『Bレギュレーション』に期待する声が存在していたのも事実である。そして、雑誌に掲載されたカードの中に、従来から広く使われたカードと全く同じ効果のカードが0コストになって登場していた。環境をリセットするにもかかわらずカードパワーが極端に引き上げられている点は問題であった。また、そのカードが0コストに成った事で、瞬殺コンボが成立するリスクがかなり高まった(実際、1年後に《式神刹那式》による3ターンキルデッキが成立して大問題となったが、この瞬殺コンボも、問題のカードが0コストになっていることで成立していた)。これらの問題はテストプレイに招聘されたユーザが指摘している事は想像に難くなく、それが雑誌に掲載された事で変更できなかったと推測するのは妥当であった。その後、ユーザに誤解を与えた点を反省したのか、ブロッコリーは開発途中の新エキスパンション収録カードの情報を、カードテキストをそのままではなく、「こういうコンセプトのカード」という説明だけとするようになった。

*2:当時のアクエリには総合ルールとかGRSとかが存在せず、2000件以上もあるカード個別の裁定がルールを規定するテキストであった。また、2000件の中には、似たようなテキストの異なるカードに対して、矛盾する裁定が存在していた。ルールとして定義できるものはルールサマリーとしてまとめた上で削除し、矛盾する裁定も整合性が取れるように整理した。

*3:D0やMTGプレーヤーには信じ難い事だろうが、優勝者を海外旅行に招待するという大会を開いておきながら、ブロッコリーは6年間もアクエリにフロアルールを作っていなかった。