TCGとイノベーション

TCGがブームと呼べる時期が来る際は、イノベーション(技術革新)が起こっている。
1回目のブームだった1990年代後半から2003年ぐらいまでの時期は、TCG自体がイノベーションであった。

今は2回目のTCGブームであるが、MTGのEDH(http://mtgwiki.com/wiki/EDH)と、ブシロードが始めた『運要素の高いTCG』『ネオスタンダード』がイノベーションであった。
MTGのEDHは、1回目のブームでTCGに触っていた人をTCGに引き戻す効果があった。
『運要素の高いTCG』『ネオスタンダード』は、新規にTCGを始める敷居を引き下げた。また、TCGを遊び続ける為のコストも引き下げた。ブシロードが言うように、TCGは「始めやすく、辞めやすく、再開し易い」趣味になった。

しかし、新たなイノベーションが出ないままでは、2回目のブームもまもなく下火になってしまうだろう。
ブシロードの木谷社長は「エンタメはコンテンツからコミュニティへ!!」等と大見得を切っているが(https://twitter.com/#!/kidanit/status/190226480549208064)、「辞めやすく」の部分が災いして、人口の少ない地域ではコミュニティの維持が難しくなっている。
だが、イノベーションなんて普通の人が易々と思いつく物ではない。
ユーザ視点で何か良いアイデアがあったとしても、そんな物は《Delusions of Mediocrity/凡人の錯覚》に過ぎないんだよね。ニッチな需要は満たせるんだろうけど。
真にイノベーションとなるアイデアは正に《Stroke of Genius/天才のひらめき》なのだ。

あと、次のイノベーションが生まれるまでは、既存のイノベーションを利用するしかない。
新規のTCGは、ニッチ狙いでも無い限り、運要素を高くして、ネオスタンダード形式を採用すべきだろう。
逆に、1回目のブームの頃から生き残っているTCGは、MTGのEDHを手本に、過去のユーザを引き戻せるような仕組みを導入するべき。特にアクエリとかアクエリとかアクエリアンエイジとか。アクエリの持つ、ネームレベルのシステム・多段ブレイクのシステムは、EDHと親和性が高いはず。(統率者の指定をカード1枚ではなくて、ネーム1つにするとか。統率領域に1段目から3段目全てを置けるなら、ハイランダーでも多段ブレイクが安定してプレイできる)