『ロウきゅーぶ!』発売に寄せて

俺が10/5以降にブログの更新を止めちゃった理由について。
これは多分、Vスパークが参戦作品に恵まれながらもTCGとしてのシェアが伸び悩んでいる理由と合致するだろうから。

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俺は『ロウきゅーぶ!』を、Vスパーク参戦が契機となって読んだ。そして好きになった。
そんな作品のカードがいよいよ発売されるって事で、公式サイトの「今日のカード」で紹介が始まったから、なるべく更新して『ロウきゅーぶ!』の発売を盛り上げようと思っていた。
けど、モチベーションが下がって、10/5以降にブログの更新を止めてしまった。

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俺が日記に良く書いている「このキャラにはこの技属性」って話は、ヴォーソス・ティミー視点での話題である。
スタンダード環境で、この技属性の繋がりでデッキを組んで遊びたいって話。
つまりヴォーソスでティミーなのだから、俺の考えが、他のヴォーソスやティミーの支持を得る保証は無いし、俺もそれを認識した上で書いている。

そして、他のヴォーソスの考え方を否定はしないつもりである。*1

ただね、今回の『ロウきゅーぶ!』で、三沢真帆が《お嬢様》技を、香椎愛莉が《妹》技を、袴田ひなたが《姉》技を持っている件について、これを支持するヴォーソス・ティミー像を俺は思い描けない。
三沢真帆のファン層が他に好きなキャラとしてお嬢様キャラを挙げているとか、香椎愛莉のファン層が他に好きなキャラとして妹キャラを挙げているとか*2、袴田ひなたのファン層が他に好きなキャラとして姉キャラを挙げているとか、そういう客観的な資料があれば納得はするんだけど。
そういうのは、例えばSNSサイト上で三沢真帆のキャラクター単独コミュニティーに所属している人が、他にどんなキャラクターの単独コミュニティーに所属しているか洗い出すとか、調べて資料化する方法は幾つかあるはず。

まぁ、実際にカードが出てしまえば、俺はトーナメントプレーヤーとしてTCGを長く続けている人間だし公認ジャッジでもあるから、メルヴィン・スパイクないしはメルヴィン・ジョニーな視点でカードを見るようになる。そうなると、ネオスタンダードでデッキを組んでいる分においては、「このキャラにはこの技属性」って結びつけについては気にならなくなるのだけどね。

また、ヴォーソス・ティミー視点で残念なのは、あくまでキャラと技属性の結びつけだけ。
スタンダードになった時に影響の出てくる部分。
ネオスタンダード環境でも影響の出てくる他の部分では、遊宝洞は頑張っていると思うよ。
今回の『ロウきゅーぶ!』についても、原作が好きのヴォーソス・ティミーな俺からみても良い評価が与えられると思う。
今回のエキスパンションでは、「今日のカード」で公開された範囲だけ見ても、技効果での原作再現がかなり良い。
リタイア4枚以下ならLv1になるLv5アイリーンとか、「愛莉は4月生まれだから早熟なだけ」をうまく再現していると思うし。*3
「体操服の智花/雨上がりに咲く花」や「湊 智花/雨上がりに咲く花」は、原作1巻の対男子バスケ部戦で採用した、智花温存戦略*4をうまく再現してるように思う。まぁ、俺はバスケに詳しく無いから保証はできないんだけど。

パートナーの方は、これは過去に何度も言っているけど、基本的に同じキャラの別カードになっている事で、キャラ単が組めたり、自分の好きなヒロインだけデッキを組み込めたりと、ヴォーソス・ティミーの要望に合致した構成になっている。
今回のエキスパンションは45枚とヒロイン5人全員のキャラ単を組むには制約が大きかった。しかし、ブシナビの情報によると、人気上位の智花とひなたについてはキャラ単が組めるだけの枚数が用意されているとの事。
(↓電撃オンラインで行われた『ロウきゅーぶ!』キャラクター人気投票企画の結果。1位:智花、2位:ひなた、3位:真帆、4位:愛莉、5位:紗季であった)*5
http://news.dengeki.com/elem/000/000/408/408941/index-2.html
http://news.dengeki.com/elem/000/000/408/408941/index-3.html

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話題をキャラと技属性の結びつけに戻す。
メルヴィン視点で言えば、今のタイミングで、スタンダード環境で使えるパーツを出すべき必然性があったのかも知れない。
ただ、スタンダードの《お嬢様》を強化するなら、この後出る『僕は友達が少ない』の柏崎星奈でも良かったはず。
また、《姉》や《妹》を持つカード作りたいなら、G's2.00の『べびプリ』でも良かったはず。*6
《スポーツ》を強化するついでだったのかも知れないけど。エキストラ・ブースターである『ロウきゅーぶ!』に敢えて集中させた理由が気になる。*7

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要旨を繰り返すと、キャラと技属性の結びつけの部分で、ヴォーソスやティミーが軽視されてるように受け取れるデザインになっているのが問題って事。
あと最後に、ティミー・ジョニー・スパイク論*8を持ち出しているから、「このキャラにはこの技属性」って結びつけは遊宝洞の仕事の範疇に聞こえるかも知れないけど、ブシロードの仕事だからね。
どの版権を取ってきてどのTCGに投入するか決めてるのはブシロードでしょ?だから、キャラと技属性の結びつけみたいなヴォーソス要素の決定は、ブシロードの仕事になる。

[追記]俺が疑問を呈したキャラと技属性の結びつけについて、ヴォーソス視点・ティミー視点以外から指摘されても困ります。先に予防線を張っておきます。むしろ、「こう言うヴォーソスやこう言うティミーなら、今回のキャラと技属性の結びつけを喜んで、しかもそう言う人の方が多数派だよ」みたいな指摘なら大歓迎。

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*1:参戦作品が発表される度に、個人的に興味の無い作品については「誰かにとって俺得作品」と書いているのと一緒。誰だって、自分の好きな作品を「誰得」とか言われたくないでしょ?

*2:妹キャラ好きな人の中には、「友人の妹」キャラも好きな人は居る。俺もその部類だ。「友人の妹」キャラっては、「単純に、お兄ちゃんの友達だから、お兄ちゃんと同じように妹として甘える」とか「実際のお兄ちゃんが甘えさせてくれないから、お兄ちゃんの友達をお兄ちゃん代わりに甘える」とか、実妹や義妹と同じような振る舞いをする事がある。けど、『ロウきゅーぶ』の主人公の昴は、兄の万里より先に妹の愛莉と知り合っており、愛莉もまた妹キャラと同じような振る舞いをする「友人の妹」キャラにはなっていない

*3:愛莉は背が高いことにコンプレックスを持っている。

*4:原作1巻には、この戦略の採用に際して、智花の「自我を殺して」「チームのために裏方に回ってもらった」って書いたある。つまり、智花のバスケの本質ではない。まぁ、俺はバスケに詳しく無いから保証はできないんだけど。

*5:引用してから気付いたけど、この記事でのキャラ紹介や、ファンが各キャラに寄せた応援コメントを読めば、真帆の《お嬢様》や、愛莉の《妹》や、ひなたの《姉》が、いかに違和感のあるものか判ると思う。

*6:もっとも、G'sで《妹》を増やすのは、スタンダードよりも重要性が桁違いに高いネオスタンダード環境で色々と問題があるのは判っているけどね。また、敢えて《妹》を付けた代償として、バランス調整の結果、《妹》持ちキャラのカードパワーが下がったら、ティミーを満足させる事ができなくなるし。

*7:エキストラ・ブースターは、通常のブースターより入手困難になり易い。そう言う商品でスタンダード向けのパーツを出すのは、後からVスパークを始めた人間がスタンダードに手を出すのを困難にする。

*8:詳細は、http://mtgwiki.com/wiki/Timmy,_Johnny,_and_Spikehttp://iwasgame.sakura.ne.jp/archives/49を参照。