カードリフレッシュキャンペーンについて

あなたのお持ちのヴァイスシュヴァルツのカード1000枚で

A:PRカード3種『Aセット』+デッキケース
B:PRカード3種『Bセット』+デッキケース

A又はBのどちらかと交換が可能!
※発売済、配布済のカード全てが対象となります。
※レアリティ等カードの詳細は関係ありません。
カードリフレッシュキャンペーン受付期間 10月15日〜11月15日まで
カードリフレッシュキャンペーン発送開始 10月20日

交換景品の内容、PRカードの詳細は15日に公開します!!

困った。
これは過去にアクエリで行なっていた「転生キャンペーン」と同等の物である(ブシロードの社長でWSのプロデューサーである木谷高明氏は、ブロッコリーの社長・会長時代にアクエリのプロデューサーをやっていた)。
アクエリでは「転生キャンペーン」は評判の良い物ではなかった。むしろ、アクエリが衰退した原因の1つとして挙げられているくらいだ。
俺には、これを行なうメリットが見えない訳で。
何で同じ事を繰り返すのだろうか?

アクエリを衰退させた理由

一部のコミュニティでは、資金的に余裕がある社会人がカードを大量に買って生まれた余剰のコモン・アンコモンを、資金的に余裕の無い学生に提供するという持ちつ持たれつの関係が成立していた(学生側は往々にして時間的な余裕があるので環境やデッキを研究し、研究成果をカードを提供してくれた社会人にフィードバックしていた)。
が、転生キャンペーンの実施により余剰カードの提供がストップした。

また、新規参入者が現れた場合、その人に根付いて貰うために余剰カードを無償で提供すると言う行為は、どのTCGでも行なわれていた。
が、転生キャンペーンが行なわれるアクエリでは、余剰カードの提供がストップした。

つまり、コミュニティの崩壊要因となった事で既存ユーザの数を減らし、新規ユーザの定着の阻害要因となっている事でユーザの増加を鈍らせた為、衰退の原因として挙げられている。

1度、転生キャンペーンが行なわれてしまうと、ユーザは次回の転生キャンペーンを想定して余剰カードをストックするようになる。
ちなみに、今のブロッコリーはとっくに転生キャンペーンの弊害に気付いていて、もう何年も転生キャンペーンを行なっていない。

WSではどう作用するか?

WSは割りと特殊なTCGで、自分の好きなタイトルのエキスパンションだけ買えばゲームを遊べる。
全てのエキスパンションを買う必要のあるオリジナル物のTCGと比べて、悪影響は少ないだろう。
しかし、例えばリトバス好きなWSプレーヤーがRRRやSP目当てに大量購入した後、余ったRR以下のカードを知り合いのリトバスファンに配って布教活動とかする土壌が生まれるだろう。リフレッシュキャンペーンによって、そう言う土壌が取り除かれてしまう危険性がある。
また、WSもコミュニティが形成されており、その中で「自分が好きなタイトルのエキスパンションは大量に買い、余ったカードはコミュニティ内のメンバーで、そのタイトルを買っていない人に提供する」という関係が築かれていたりする。リフレッシュキャンペーンによって、そういう関係が崩れてしまう危険性は否定できない。

カードリフレッシュキャンペーンが反感を買った理由

ネット上を見るとカードリフレッシュキャンペーンに反感を持っている人は多い。
WSユーザ内のアクエリ経験者の比率は非常に低い訳で、アクエリの転生キャンペーンを知らない層からも反感を買っている。
最も反発してるのは「不要カードを1000枚も集められない」ライトユーザ層である。
彼らが恐れているのは「《小川で遊ぼう!》みたいなデッキに4枚投入が必要となるカードで、正規のエキスパンションに封入されないカードがプロモとして配られないか?」と言うことである。
交換されるカードが発表されず、カードリフレッシュキャンペーンの存在のみが発表されたのが良くなかった。
プロモーションカードに対するブシロードの戦略は「正規エキスパンションに封入されないカードも作るが、デッキに必須のカードにしない(=普通にゲームをプレイする人は無視できる)」である(http://d.hatena.ne.jp/Nakaji_c/20080131#p1)。現状「デッキに必須のカードにしない」は守られている。
が、これは俺みたいなWS発売前から追っているヘビーユーザだから知っている情報であり、新参のライトユーザは知らない話であろう。
特に他TCGの経験者の中には、ゲームや雑誌に封入されているプロモがデッキに必須なTCGを経験してきた人もいるだろう。そう言う人も、そこそこWSの経験を積めば「今のWSは、必須なプロモが存在しないんだ」って事には気付くだろうけど、将来的に必須プロモが生まれる恐怖までは消せないだろう。

どうせカードリフレッシュキャンペーンを行なうなら・・・

WSだけでなく、ChaosTCGやサンデーvsマガジンも、集める1000枚の対象にするべきだったかと。
そして、交換対象はプロモではなくて、各タイトルのトライアルデッキ。
今秋発売のVSTCGのトライアルを含めてもよいと思うな。

余談−アクエリが衰退した原因リスト

・2度に渡るSaga移行(カードプールの全面リセット)
・カードバランスの悪さ(エキスパンションが出ても環境があまり変わらなかった。特にSaga2時代。)
・レアゲー化(大型1段や2段ブレイクや2段目は全てレア、また《魔切り》《アブソリューション》と言った「どんなデッキにも4枚必須なカード」がレアだった)
・「先攻後攻が同条件」の改善遅れ(デッキ構築やプレイング以前に「先攻を取れるか?」で勝敗が決していた)
・ルールの不備(裁定の根拠となるのが2000を超える大量のQ&Aだけで、ルールサマリーが無かった。カードテキストもテンプレート化されていない。またフロアルールも無かった)
・オリジナルアニメを作成した際、13,000円もするDVDに3段ブレイク目と言う強力なプロモを付けた。半年先のエキスパンションからの先行配布であるが、今までは先行配布のカードは正規に発売されるまで使用不可であったが、この時は何故か使用可能にされていた。ちなみに、このプロモはカードバランスを崩し過ぎていた為、エラッタを求める署名活動が起こり、3ヶ月後にはエラッタが出た。
・ジャッジに対する不信(ユーザから公認されたジャッジではなく、開発スタッフからヘッドジャッジを担当していた人に対する不信)。2002年のランブルで某有名プレーヤーに冤罪を着せて退場させた事件とか、2005年のレディーストーナメントで決勝がミスジャッジからノーコンテストになった事件とか。他にもミスジャッジは多数ある。左記の2つの事件を起こしたのは同一人物であるが、2008年に開発スタッフを辞めている。
・転生キャンペーンによるコミュニティ崩壊&新規参入者定着の阻害。
・その他
※基本的に、これらの衰退原因は大抵指摘されていて、改善が図られてる。改善されたから俺が忘れている衰退原因があるかもしれない。

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つまり、アクエリが衰退した要因は多数ある訳で、転生キャンペーン1つで劇的に衰退した訳じゃないって事。
実際に転生キャンペーンでコミュニティ崩壊したって話は聞いたことがあるので、衰退要因の1つに入れてある。けど、影響は薄かったと言う認識。
むしろ、今回のWSカードリフレッシュキャンペーンで、交換されるカードが発表されないままキャンペーンの存在のみが発表された事の方が悪影響大きいように思えるよ。