『恋人たちの協奏曲』環境を妄想してみる。

『恋人たちの協奏曲』発売後のスタンダード環境を妄想してみる。杞憂で済んで欲しいから。
式神刹那式」を組み込んだ「五雷法」デッキがメタの中心に据えられる。3〜4ターン目に「五雷法」エンジンが起動して、そのターンの内にゲームが決まるのだから。
「五雷法」と「式神刹那式」は、0コストで阿頼耶識のプロジェクト・ファスト。なので、「傷鬼」「ヴァンパイア・ミスティ」で対応することができる。また、これらのカウンターを引かなくても、プレイされた「式神刹那式」に対しては「魔神転生」「サイレンの魔女」が有効である(エンジンが起動して得た大量の手札にカウンターが含まれていても、「式神刹那式」のパワーカードとしてセットされてしまう)。
メタは五雷法デッキvsアンチ五雷法と言う構図になる。五雷法側はアンチデッキに対策して、タッチ黒して「コズミックラヴ」から「傷鬼」「ヴァンパイア・ミスティ」を奪う構成にするかも知れない。「式神刹那式」をプレイした後もカウンターを握れるように、「幽霊女学生」や「ぐるぐるめがね」に「エクソシズム」を仕込んでおくかもしれない(「式神刹那式」のプレイは「幽霊女学生」や「ぐるぐるめがね」のエフェクトの使用にレスポンスして行えば、相手に「魔神転生」「サイレンの魔女」を使われる余地無く「エクソシズム」を握れる)。
トーナメントシーンはそんな感じだが、そこから一歩外れたフリープレーや公認大会では、五雷法デッキは今まで通り使用が自粛されているだろう。時折、空気読まない奴が五雷法デッキを使って叩かれたりもするだろう。地域によっては、予選すら五雷法デッキの使用が自粛されるかもしれない。
……と、このようにメタゲームは推移するかも知れないので、「式神刹那式」が出ても健全な環境かもしれない。
  と思ったら大間違い。
MTGで起動の早い瞬殺コンボ系のデッキが横行した「MoMAの冬」ですら、メタデッキは存在した。
が、MTGではそれを健全な環境と見なさず、3回に渡って禁止カードを出し、起動の早い瞬殺コンボ系デッキを環境から締め出した。
http://mtgwiki.com/MoMa
瞬殺コンボを研究し、早いターンでの起動を実現するってのは、これも1つのTCGの楽しみ方だと思う。正直言うと、自分は瞬殺コンボを研究するのも大好きだったりする。アクエリでもタウロスが出た頃に聞仲デッキを研究してたし、「うっかり教皇」と「大払祝詞」から巨大な「式神弐式」を出すデッキを研究してたこともあった。MTG時代にも「Gaea's Cradle」にフリースペルや「TurnAbuot」を絡めた瞬殺コンボを友人と研究して、DOJOに投稿して紹介された事もあった。今もD0で「小さくて大きな力」を見た瞬間、瞬殺コンボが出来ないか色々と検討した(さすがにデザイナーがちゃんと芽を潰しているので、瞬殺コンボになりそうな組み合わせは今の所は見つかっていない。「幽鬼の谷」と「貪欲時計デーモンガスト」を組み合わせても無理だった)。
が、未知の瞬殺コンボを研究するのはTCGの楽しみだろうけど、他人の開発した既知の瞬殺コンボを回すのは、健全なTCGの楽しみとは言えない。

今までの、五雷法デッキ・聞仲デッキ・着せ替えメイドデッキ・リーパー戦闘機デッキに対するアクエリプレーヤーの態度から見るに、「式神刹那式」が出たとしても、強いのは分かっても対人で対戦するTCGとして面白くないと言う理由から自主規制されて、広く使われない可能性は高い。そもそも、普通に強いデッキすら、丸々コピーして使うよりは、自分の好きなデッキを使う傾向がアクエリプレーヤーにはある。
とは言っても、存在自体が不満材料として残るだろうし、たまたま使っていると人対戦した場合の不快感は非常に強いものとなるであろう。

Saga3スタイルだけでなく、スタンダードスタイルも視野に入れてデザインして欲しいかと。
式神刹那式」入りの五雷法デッキで、多くの人が不愉快な思いをする前に、「五雷法」に何らかのエラッタや制限を入れて欲しいものである。