ビナー降霊会

現在、アクエリの決勝大会はほとんどシングルエリミネーションである。時間切れになった場合の決着方法は与えダメージの多い方となる。
『魔術師の呪文』で登場した「降霊会」は「ビナー “ヘイゼル・ローエングリン”」と組み合わせると、与えダメージを大きく回復できるコンボとなる。
Infinity Blueで椎名楓さんがこのようなコラムを書いた。
ここで指摘されている通り、このコンボは、今の環境に対して健全でない。
今の環境というのは、「フロアルールが未整備で遅延行為がちゃんと取り締まれていない」「必要な時間と比べて短い試合時間」「時間切れになった場合(追加ターンを与えられず)与えダメージのみで勝敗を判定するルール」ということである。
制限時間が短くて時間切れになりやすいから、意図せず時間切れになった時に有利となる、という観点で使用するなら問題はない。
ビナー降霊会によるダメージ回復コンボは、遅延行為によって時間切れで勝利を狙う相手に対して逆転勝ちを出来る手段ともなる。食らった側からすれば「1点でもダメージ入ってたら負けじゃん!」状態になる。
が、同時に、遅延行為によって時間切れで勝利を狙うプレーヤーがビナー降霊会を使うと酷い事になる。遅延行為で勝ちを狙うには、与えダメージで相手を上回っていないとならない。が、このこのコンボを使えば、1点でもダメージを与えれいれば、時間切れの直前に降霊会でダメージ回復して必ず勝てる事になる。相手がダメージを1点でも受けていたら、後は遅延するだけで勝てる。食らった側からすれば「1点でもダメージ入ってたら負けじゃん!」状態になる。
このコンボの存在を視野に入れた場合、遅延行為によって時間切れで勝利を狙うプレーヤーは、例えば厳島美鈴を使用する等して、確実にビナー降霊会をカウンターするように対策してくるようになるだろう。寒い世の中だ。

椎名楓さんの提示した「(Q&Aとルールサマリーの不備を突いて)ビナー降霊会のコンボが成立しないというジャッジを行う」というのにはに現時点では賛同できないが、提起している問題には同意したい。ただ、今後、ブロッコリーの対応が遅れ、ビナー降霊会のコンボを使って遅延行為をして勝とうと言う人が多くなるなら、ビナー降霊会が成立しないというジャッジングも止む無しである。