「魔術師の呪文」雑感

「逆襲の巨蟹宮」の時と比べ、「テストプレイがちゃんと実施されたのか」という疑問は少ない。それでは「魔術師の呪文」はちゃんとテストプレイが機能したエキスパンションに見えるかというとそうではない。「逆襲の巨蟹宮」と比べてカードパワーが上がっている訳ではないので、大声を上げて非難しないとならない程の事がないのに過ぎない。
むしろ、カードパワーが低く抑えすぎている、という批判が上がっている。
開発陣が、テストプレーヤーが出した意見を検討したと言うなら、どういう理由で受け入れた/受け入れないの判断をしたか。そう言う資料を作ってテストユーザにフィードバックをするべきだろう。また、その一部を一般に開示すれば、テストプレイに参加していないユーザに対してテストプレイが行われたという証明になる。

まぁ、弱いカードは環境に影響を与えるわけでなく、エキスパンションを売れないものにする影響しか与えなので、ユーザ側からすれば、無視されやすい。が、「魔術師の呪文」に1つだけ、無視し得ない弱い再録カードが存在す。
アンコモンで収録された『九字刀印』である。「逆襲の巨蟹宮」にレアで収録された『十字払』とカード種類と効果とファクターが全く同じ。そして、『九字刀印』はコストが1点多い。つまり、『十字払』の完全下位互換が『九字刀印』なのである。
ゲーム面では影響少ないが、消費者心理には悪影響を及ぼす。レアの、しかもシングル価格は「逆襲の巨蟹宮」のカードの中では上位3枚に入るカードの、完全下位互換がアンコモンにあるというのは、アクエリはレアゲーだといっているものである。金持ちじゃないと勝てない、デッキ構築力やプレイング能力でカード資産の差は埋まらないって事に言っていることになる。

ドラフトを考慮したって説があるけど、テストプレーヤーとかに「ドラフトも考慮してバランスを見た意見を出してくれ」って指示があったのかな? それに、ドラフト用にアンコモンでカウンターが必要だとしたら、若干、能力を変えて完全な下位互換にさせないという手もあるはずだ。つまり、どーして『九字・刀印』にして、「カードを1枚引く」「支払ったコストをデッキに戻す」辺りのテキストを追加してやらなかったのか?って事。

ところで、『五雷法』『聞仲』『着せ替えメイド』と言った、DMで言うところの『無双竜騎ボルバルザーク』並みのデッキは、有効な対策カードが出たわけじゃありませんね。ユーザ側が「使っても面白くない」って自主規制してるから、放置なんですか?