蟹の目玉
事前に出た情報から予想される「逆襲の巨蟹宮」
次に引用しますのは、Saga3のコンセプトです。
○序盤の展開を早く、容易に。
・ブレイクカードのファクター・コストを低減。場作り、自分の場の形成を容易にすることが出来ます。
・場の維持を容易にするため、防御側をサポートしやすくします。
○大型ブレイクや強力なプロジェクトカードのファクター・コストを重たく取る。
・大型ブレイク・強力なファストカードのファクター・コストを重たく取ることにより、より深みのあるお互いの
戦略性が必要になると同時に、これまで以上にドラマティックな試合が展開されます。
「序盤の展開を早く、容易に」に関しては、非ネームで補給線となるブレイクを1F0Cにする愚は犯さないだろうと考えまして、秘書官みたいな2F1Cでレジスト?・チャージ1を持ったブレイクとか、小竜姫みたいな1F2Cでチャージとカウンター能力を持ったブレイクとかが軽くなると考えていました。使われないカードの上位互換だからカードパワーがインフレしてるのは間違い無いですが、使われていないカードを使われるレベルに引き上げるのであれば、まだゲームバランスは壊れていないと考えます。
「大型ブレイクや強力なプロジェクトカードのファクター・コストを重たく取る」に関しては、ブレイクのサイズとコストはこんな感じと期待していました。
3/4/4 | 2段4/5/5 | 1段4/5/5 | |
---|---|---|---|
現状 | 2F2C | 3F1C | 3F3C |
蟹 | 3F2C | 4F2C | 4F4C |
実際に出たカードはといいますと……
「ぎゃざ」誌の情報で、1F0Cでチャージ1のブレイクが出るかも知れないことは報じられていましたが、「BCC in 大宮ソニックシティ1」内の初心者講習会で、Saga3の新構築済みデッキが使われていまして、イレイザーの1F0Cでチャージ1のブレイクは分類ドラグーン♀である事が判明しました。また、それ以外にも1F0Cでドロー+1のブレイクが存在することが判明しまして、分類が、E.G.O.はワーカー♀/アンドロイド、イレイザーは(こちらも)ドラグーン♀でした。
この情報が2chのアクエリ本スレに流れるや否や、蜂の巣を突ついたような騒ぎとなりました。大改革宣言でユーザから募集した人間がテストプレイを行う事になっており、開発陣が見逃したとしてもユーザがチェックするから、みんな安心していただけに、このような事態になって激怒したり困惑したり。最終的には「テストプレイは行われなかった。募集だけしておいて、応募者全員を不採用にした」と言う説まで飛び出す始末。
確かに、これらのカードは問題だと私も思います。
仮に、スタンダードやSaga3の環境がバランス取れていたとしても、既存のユーザはこのカードを見ただけで心理的に嫌になり、「逆襲の巨蟹宮」を試さずにアクエリに見切りを付けるでしょう。
「逆襲の巨蟹宮」のコンセプトに「序盤の展開を早く、容易に」があるので、もしかしたら、「逆襲の巨蟹宮」におけるウリの1つとしてデザインされたのかも知れませんが、これらのカードは、既存のユーザが不満に感じてる問題点を、さらに悪化させてます。
このままでは、辞める人間が多く出そうに思います。
これらのカードの問題点は以下の通りです。
- ゲームの高速化がもたらす、先攻有利・運(初手)で決まるゲーム傾向の加速。
- 運の要素は適当なレベルに留め、技術介入の余地を大きくしないと、年齢が中高生以上の人によるプレイに耐えられない。
- 足回り確保が容易になることで、コストのシステムが意味なくなる。
- →大型ブレイクを先に出して殴るだけの単調・大味なゲームなり、面白みを欠く。
- 強過ぎる上位互換が出ることで、今後もカードパワーのインフレ状態になる。
- →ユーザが嫌気をさして辞める。
既存のユーザが感じている不満の一部に、以下のものがあります。
- 先攻有利なゲームバランス
- アタック宣言した場合にパワーカードが手札に戻るアビリティを持っているパーマネントが、他にも能力値を修正し、様々なスキルやアビリティを与えので多用されていて、結果、コストのシステムの意味が薄れている。
これらの不満に対し、初期手札枚数の見直し・引き直しの導入・エキスパンションコンバートの導入などを行って解消しようとしているのは評価しますが、同じような問題を顕在化させるようなカードを出しては、意味が無いと思います。
『ぎゃざ』誌に載ったヴァンパイア・ディスインターメントのような、シールドとチャージ1を併せ持つ1ファクター1コストのデメリット無しのブレイク等で、十分に魅力有るエキスパンションになり、「序盤の展開を早く、容易に」というコンセプトにも沿うように思います。
1ファクター0コストで、チャージ1またはドロー+1を持つブレイクは採用するべきではなかったと思います。
木谷社長の真意を探る
前振り1
以下は、今年3月のジャッジサミットの折、木谷社長が述べた事です。日数が経っていまして、詳細な内容はうろ覚えなのですが、論旨は変わっていないはずです。括弧内の補足は私が勝手に付けたものですから、木谷社長の真意とは離れてるかもしれないです。
海外の人から見ると、日本は「遊戯王」と「ポケモン」を産んだ国なので、全世代的にTCGの人気が高いと思われているらしい。実際に日本でTCGは小学生までの世代で物凄い人気ですが、中高生〜社会人にそれほど浸透していません。そういう現状は海外の人にとっては不思議らしい。
そう言う前振りをしておいて、木谷社長は会場のホワイトボードにこんなマトリックスを書き始めました。
幼稚園 | 小学校 | 中学・高校 | 社会人 |
---|---|---|---|
遊戯王 | (マジック) | マジック | |
ムシキング | デュエルマスターズ | ガンダムウォー | |
ポケモン | アクエリ | ||
Lycee |
各TCGのプレーヤー層をまとめたマトリックスかと思ったら違いました。今あるTCGで、TCGプレーヤーの成長過程をライフステージに例えて語ったものでした。
TCGを学ぶ小学校として、遊戯王・デュエルマスターズ・ポケモンがあり(=小学校と言うのは義務教育。子供向けTCGの浸透率は男子だけで90%はあるらしい事を考えると、今後、一定年齢以下の人間は必ずTCGの原体験を持つ事を意味する)、しかも、幼稚園(=準備段階)として甲虫王者ムシキングまで今は出ています。
しかし、小学校の先がなく、いきなり社会に出るような状況になっています。それも、既存タイトルでは、マジックはミッション系の学校のようなものだし(=中高一貫校からエスカレータで大学に行けるって意味で、後に上げるタイトル比べて一般向けであるが、競技指向が強過ぎて堅苦しくカジュアル指向が無い)、ガンダムウォー・アクエリは高専から専修大学に行くようなものだし(=カジュアル指向が強いが、ユーザ層がヲタ指向の人間に偏っている)、Lyceeは職業高校から専門学校へ行くみたいなもの(=エロゲー原作だから、更にユーザ層が限られている)。
だから、今、必要なのは、普通科の高校から大学に行くような感じの、遊戯王・デュエルマスターズ・ポケモンでTCGを学んだ子供が次に手を出せるTCGと言う事らしい。
サミット後に、木谷社長に「アクエリをそう言うTCGにしたいのですか?」と尋ねたところ「アクエリがそうなるかも知れないし、新しいタイトルのTCGがそれを担うのかもしれない」と言う種子の回答を頂きました。
その後、LOGiN誌で2006年春にブロッコリーが新タイトルのTCGを準備中と言う話が報じられました。
前振り2
以下は、2chで拾った、今年4月の東京国際アニメフェア2005で行われた、木谷社長の発言の要旨です。
「表向きには“Saga3”と言う事になっていますが、私的にはこれはもう“新アクエリアンエイジ”
と呼んでもいいと思っている。それだけの事をしたし、これからもやっていく。」「思い切った事をするには、送り出す方も受け入れる方もいきなりでは無理。
だから、急遽巨蟹宮をSaga3に前倒しした。巨蟹宮での試みがどう出るかによって
Saga3の基本セットを調整していく。いわば巨蟹宮はSaga3のβ版に相当する。」「2006年2月のエクスパンションコンバートを期に、現状の3+1スタイルの形式に戻していく。
それまでの期間でスタンダード収録のカードを厳選し、“グローバルなスタンダード”を確立する。」「よく、大幅な変化に対して“こんなの○○じゃない”という声をよく聞きます。
ただ信じてください。どんなに変わってもそれは新しい“アクエリアンエイジ”です。」
キバヤシ:そうか!判ったぞ!
(ここに、キバヤシのAAがあると思ってくれぇ)
木谷社長はアクエリで故意にと失策を積み重ねる事で、既存のユーザをアクエリから離れされ、Lyceeに移行させようとしてるんだ。同じ美少女系TCGって事でユーザ層に違和感ない。このユーザ層に対して、Lyceeとアクエリを今後に成長させる観点で比較した場合、原作がある分Lyceeの有利だ。そして、美少女系TCGって事で棲み付いていたユーザを一掃した後、アクエリを、国産オリジナルTCGとして長い歴史を背景に、遊戯王・デュエルマスターズ・ポケモンを卒業したTCGプレーヤーを収容するTCGに位置付けようとしてるんだ!
夕映:異議アリです。
(ここに、弁護士夕映のAAがあると思ってくれぇ)
アクエリの失策を見たユーザが、そう簡単にLyceeに流れると思うのですか? どちらも同じブロッコリーなのですよ。おジャ魔女どれみCGCや東京ミュウミュウCGCに手を出して痛い目にあったユーザは、流石に懲りて、同じアマダのプリキュアCGCには決して手を出さないと同じように、同じブロッコリーのTCGに移行する道理がありません。また、Lyceeはテスト不足によりる大量エラッタを余儀なくされたのですが、幾つかのカードでパラメータを影響でプレイが非常に不便となった割に、宙優位の環境が改善されたと言えず、ユーザが離れつつあります。