ひだまりスケッチTCGの話(続・けいおんTCG)

前のエントリーでも話題にした『けいおん!』を題材とするTCG「プレシャスメモリーズ」の話。
http://d.hatena.ne.jp/Nakaji_c/20100204
参戦タイトルは次々と決まっていて、第2弾が『ひだまりスケッチ』、第3弾が『化物語』だそうだ。
けいおん第2期放送開始と前後して、公式サイトが開設されてた。
http://www.p-memories.com/pc/index.html

エキスパンションの発売予定が出るのは良い。
人気タイトルを何タイトルも挙げてるのは興味が沸く。
けど、イベント予定が貧弱過ぎる。
向こう半年1年遊べるどころか、初心者講習会も、初回の全国大会イベントも予定が提示されていない。
これでは遊べない。
「今後のエキスパンション発売予定」「今後のイベント等サポートの予定」は、TCGに手を出すかを判断する重要な材料。この両輪は、片方が欠けると意味が無い。
正直ベースで話すと、少しは嘘が混じっても構わないと思っている。発売前段階の内容は数が少ないコアユーザの心証を良くする為に提示するのだから、多少は大袈裟にイベント予定をぶち上げるべきなのだ。
コアユーザが各地のショップに受け皿を作った所に、大規模な広告で興味を持ったライトユーザが多数現れて、はじめてTCGとして盛り上がる。
実際、萌え系TCGで大成功してるLyceeヴァイスシュヴァルツは、最初期に提示されたイベント予定の内、7割程度しか実施されていなかった。
後から現れた多くのライトユーザは、初期に提示されたイベント予定なんて知らない。コアユーザは空気を読んで口をつぐむ。
だから、直近の予定は確実に実行できる内容を載せつつ、少し先の内容は、煮詰まっていない内容・実現不可能だと思われるような内容でも良いから載せて予定を埋めてしまって良いのだ。
やる気を示すのが重要。
現実的な計画を立てる段階で、多少の方針が変更があっても構わない。提示した内容と同程度の別イベントを実施していれば、当初に提示しだ内容通りにイベントを開く必要は無い。

イベント予定を全く載せなかったこのTCGは、前にエントリで書いた「売り逃げTCGだろう」という推測を覆すだけの材料を提示できていない。

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閑話休題
俺の「このTCGは売り逃げる」と言う予言は良く当たる。
前も、発売してエキスパンション2つ3つ出している最中のTCGを売り逃げTCGと指摘する記事を書いた。
http://d.hatena.ne.jp/Nakaji_c/20080806#p2
現状、このTCGは、新規エキスパンションの発売も全国的な大会イベントも無く、細々とショップ大会のサポートが行われているだけとなっている。
上記エントリは、書いて少し経ってから、このTCGのユーザに2chで叩かれていた。
けど、結局のところ指摘した通りになったのである。

【2010/04/05追記】
以前に別TCGを売り逃げって指摘したエントリでも、コメントで追記したのと似た内容。
俺的には、プレシャス・メモリーズに失敗して欲しいと思っているわけではない。
むしろ逆で、WSやLyceeに匹敵するようなビックタイトルになって欲しいと願っている。
このスタンスは、他のTCGに対しても一緒である。
ただ、TCGと言う商品は、パブリッシャーが売り出した物を、販売店さんが仕入れ、ユーザが買って遊ぶものである。
売り逃げされたら、買ったユーザは遊べない紙束を掴まされて損をするし、売れ残ったら販売店さんは不良在庫を抱えて損をする。
パブリッシャーだけが得をするWIN-LOSEの関係だ。
ちゃんとサポートを続けて遊べるTCGに成長するなら、それはWIN-WINの好ましい関係になる。
俺がやっている事は、WIN-WINの関係になる為に、パブリッシャー側に欠けている物をユーザ視点で指摘しているに過ぎない。
パブリッシャー側で指摘を受け入れれば、それはWIN-WINの関係に移行する。
残念ながらパブリッシャー側が受け入れないのなら、WIN-LOSEの関係は変わらない。この場合、俺の指摘は販売店さんやユーザの役に立つ。WIN-LOSEの関係になるTCGを回避する為の判断材料となるのだから。

また、イベントをぶち上げろと言うのは、過去に他のTCGで成功してる方法論に過ぎない。
要点は、ユーザに遊ぶ場を提供する事。
俺には想像もつかないような手法で、ユーザに遊ぶ場を提供してくれるなら、既存の方法には拘らない。
【2010/04/05追記ここまで】

ルールとか

懇意にしてるショップさんから、来た資料を見せてもらった。
ルールを見たんだけど、無難のまとまっている。
裏を返せば、既存TCGのルールのパッチワークであり、アクエリやWSのような『センス・オブ・ワンダーを感じる、斬新なルール』になっていない。
コスト関連はLyceeに似ている。作品単とか、属性単を作りやすいシステムだったので、この点はキャラゲーとして良い評価になるだろう。
ゲーム勝敗関係のルールはD0とハーレムマスターを併せたような内容。
一方的なゲーム展開にしないための安全弁、勝利条件を満たそうとすると相手にリソースを与えてしまう仕組みも組み込まれてるが、読んだ感じでは効用が薄そうだった。取って付けた感じ。
他のショップさんにも資料が来てるだろうから、気になる人は見せてもらうと良いだろう。
しかし、レアリティが5段階な上に、別途パラレルが存在するのはTCGとしてはどうかと思う。
また、ショップさんに来ている資料にも、初心者講習会や全国大会イベントの情報は無かった。

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