11/1 ワールドGP 東京地区決勝レポート

「今のLv2ジャッジは、総合ルール/フロアルールが制定される前に試験を受けて合格した人間だから、正確な総合ルール/フロアルールを把握していない可能性が有る」
上記は、ジャッジングに不満をもった知り合いを慰める為に発言した内容であるが、まさかコレが自分にも当てはまるとは夢にも思って居なかった罠。

■会場入りまで
3日に地元甲府で個人主催の大会を開く予定だったので、ワールドGP後そのまま帰省する予定で、帰省用の荷物を抱えて渋谷へ出発。荷物は渋谷駅のコインロッカーに突っ込む予定でいた。
が、渋谷駅周辺のコインロッカーは空いておらず、帰省用の荷物を抱えて会場入りするハメに。

■試合開始まで
コインロッカーを探して右往左往していた為、14:20頃に会場入り。
受付を済ませると、物販列に並んでる堕天使Bさんと会う。
何でも、開場30分前に会場について並んでいたらしい。ゲームショウの時に、イベント限定グッズのプレイマットを買おうとしていて、売り切れて残念な思いをしていた話を聞いていたので「気合が入っているなー」と感心してた。
暫くして問題のプレイマットが売り切れたと言うアナウンスがされた。
堕天使Bさんは微妙な位置に並んでいたので、プレイマットが買えたのか心配していたが、どうやら、無事に買えた様子。
なお、今回のイベント中、プレイマットに関してブシロード社員の方の話を聞くことができた。
要旨をまとめると以下。

・イベント限定で販売してるが、数量限定にするつもりは無い。
・ファイバータオルへの印刷は、プリンターで印刷するようなものなので、大量生産でも小量生産でも単価は変わらない。
・生産は、可能な限り行っているが、生産できる工場が少ないため、充分な量を作れない。

※結論:慌てて転売厨から買わない事。


■ワールドGP
結果としては、3勝2敗で5ラウンド目に強制ドロップ。
使用デッキは音夢美春タッチ青。
ミラーメタで《エクレールダムールの花》を積んでみたが、負けたミラーは全て序盤に付いたリソースの差で負けたから積んだ意味が無かった。勝った試合でも、このカードアンコールしてアド取れたような事も無かったしね。
成績微妙なのでデッキ晒しは無しの方向で。


■カンファレンス
16:00からカンファレンスと言う事であったが、その時間帯はワールドGPの3回戦目。
目下、2連勝中だった為、ドロップするわけにもいかず、聴きに行けなかった。

■感想
○大会形式にすいて
声を大にして言いたい。

ダブルエリミだったので大会を堪能できた。

他の萌え系TCGだと、シングルエリミだったり、スイスドローでも上位8人でシングルエリミを行ったりしないので、1敗=即敗退だったのだけど、1敗してもまだ目が有るのは嬉しい。


○制限時間25分について
ガチでやる試合の時間としては短い。
5対戦中、時間切れ1回、時間切れギリギリ(残り5分きっていた)が2回あった。

■ジャッジに対するあれこれ
○島村ヘッドジャッジに対する評価
今回、ヘッドジャッジを務めたのは島村プロデューサー。
島村Pは、カードキングダム練馬春日の店長からプロデューサー業に転じた方なのは知っているが、他TCGとかでジャッジとしての実績は知らない。
が、カードキングダム系列店で店長を務めただけあって、素養は充分にあるようだ。今回の大会でも、端々の対応に信頼できるものを感じた。
トーナメント開始時のヘッドジャッジ挨拶で、「フロアジャッジの裁定に不満が有る場合、ヘッドジャッジに上告可能」の旨を言明した。
『ヘッドジャッジへの上告』が可能な事は、WSのフロアルールにかかれている内容である。MtGやD0辺りの経験者からすれば「何を今更」感が強い話である。
逆に言うと、アクエリやLyceeのような、カジュアルなTCG経験者には馴染みの薄い制度である。*1
他のTCGの経験で物を言うと、大会後にBlogなどで不満が語られる内容の内ジャッジに関するものは、ヘッドジャッジへの上告を行っていれば不満が解消されたであろう内容が多いように見受けられる。特にTCG初心者は上告を知らないので、間違ったジャッジングに遭遇した場合、泣き寝入りする事が多い。
こう言う事例に対して、先手を打って対処した事は評価できると思う。
ちなみに、この挨拶の際、「上告」と言う用語に対して、多くの参加者から笑いが起こった。
コレ、笑う所じゃないんだけどな。
逆に言うと、多くの参加者が、フロアルールも読んでなければ、他TCGの経験が無くヘッドジャッジへの上告制度を知らないと言う事を示している事実である。


また、6回戦目開始時のアナウンスも良かった。
要は、フロアルールで認められているCXカードの「編み込み」に関する裁定について、全体的なアナウンスを行ったのだ。
内容の要約は以下

・デッキをCXとCX以外に分ける行為は問題無い。
・また、CXとCX以外を分けた状態から8枚切りする事も問題無い。
・ただし、上記の状態では「充分な無作為化」が行われた状態ではない。このまま対戦相手に渡してカットをお願いした場合、反則となる。
・対戦相手に渡す前に、ディールシャッフル,ヒンズーシャッフル,コンバインシャッフル等を織り交ぜて、数回シャッフルする必要がある。
 

割と多く問い合わせの有る事項について、大会中にアナウンスすると言う姿勢は好印象である。

○フロアジャッジ達の言動について
(1)特定プレーヤーとの馴れ合い・親しい面を他のプレーヤーに見せる
しまむーPの見事なヘッドジャッジぶりとは対照的に、今回、渋谷でフロアジャッジを務めた方達については、残念な部分があった。
個人的に一番悪印象だったのは、大会後のお楽しみ抽選会でマッシュを手伝ってスコアシートの束を持っていたフロアジャッジ。
恐らく、そのフロアジャッジの身内である人物が抽選されたのだろう。取り出されたスコアシートを見て、抽選された人物を知っている事を示すリアクションを全身で取っていた。
これ、全く持ってイタダケナイ。
ポーカーフェースを貫き通すべきである。
「抽選されたのが身内」→「スコアシートを持っているのがジャッジ」→「身内が抽選されるかのように何らかの不正があったのではないか?」
参加者に対して上記の誤解を与える。

俺が、ジャッジとして公式大会に参加した場合、気を使うのは、この点である。
不用意に、特定のプレーヤーと親しい面を、他のプレーヤーに見せない。

(2)基本的な内容でミスジャッジ
・(俺が直接目撃した内容)
参加者が、デッキを解体するのを止めさせた。

・(他の参加者から聞いた話)
CXカードの「編み込み」を行っていた段階で止めさせた。

上記は、フロアルールと照らし合わせればミスジャッジとなる。
(前述したヘッドジャッジのアナウンスを考えると、ヘッドジャッジを呼べば、フロアルール通りの裁定が出たと推測される)

(3)上記2つが複合した場合の問題点
ジャッジも人間だから、ミスジャッジは仕方ない。
が、ミスジャッジした際、有利な判定を受けたプレーヤー側が、そのジャッジの身内・知り合いだった事が露見したら、不利な判定を受けたプレーヤー側がどう考えるか?
高い確率で「身内を贔屓する為の裁定を出した」と受け止められるだろう。そんな不公平な事をしたと思われては、ジャッジへの信頼が揺らぐ。
「最終的に、ヘッドジャッジが判断するのだから(ジャッジが身内を贔屓する裁定を出しても)問題無い」と言う見方もある。
が、「フロアジャッジは身内を贔屓するから信用できない。最初っからヘッドジャッジに裁定を出してもらうつもりでジャッジを呼ぶ」と「フロアジャッジも、裁定は公平で信頼できる物である。が、やっぱり人間が行っているので勘違い・記憶違い・間違いも存在する。フェイルセルフ的な意味合いから、ヘッドジャッジを呼ぶ権利が用意されている」では、状況として大きく異なる。
極論を言うと「最終的に、ヘッドジャッジが正しい裁定を出せば問題無い」と言うなら、フロアジャッジは誰でも良くなる。WSを知らないアルバイトを雇っても構わないと言うことになる。下手にユーザーからジャッジを募るより、ユーザー間の繋がりが無い分、そっちの方が良いと言う話になりかねない。
何のためにLv2ジャッジの資格が与えられているか、よく考えて欲しい。

■個人的に反省が必要な事と、腹が立ったこと。
実は俺、「《水着の杏》が2枚以上クロックの1番上に重なって居た場合、全ての《水着の杏》がターン終了に控え室に送られる」と言う裁定を知らなかったんですよ。
今回、《水着の杏》入りのデッキを使用していたのですが、実際に相手ターンのアタックを全て処理した後、《水着の杏》がクロックの1番上にあった時、自分の手札に《水着の杏》が有っても、クロックに置いていませんでした。

でもって、とある対戦にて、対戦相手が全部捨て札しようとしたので、ジャッジを呼んで裁定を確認しました。だが、説明に納得が行かなかったので、ヘッドジャッジに上告しました。
《水着の杏》が全て控え室に送られるのは「エンドフェーズが、処理するルール処理が無くなるまでループするルールになっている」からなんですね。
ヘッドジャッジから上記を説明して頂いたので、納得できました。

まぁ、ここまでは良くある話です。(個人的には、総合ルールの記載内容なので、把握してなかった事自体が反省材料なのですが。今回はプレーヤー参加でしたから、ジャッジ資格を背負っていないので許してください。)

実は、上記のジャッジを呼んで裁定を仰いでいる最中に、対戦時間が終了してしまったのですね。
俺は、当然の権利として、裁定にかかった分の試合時間延長を要求しました。*2
状況的に、こちらはLv3−クロック2枚、相手はLv3−クロック0枚でした。こちらの前列はソウル2の《美春&音夢》が2体、ソウル1のキャラが1体並んでいます。相手は杉並アンコール型なので、キャラは居ますがサイズで上回っています。
対戦相手の方は、時間切れなのでタイブレイクで勝ったと思っていたのか、物凄い驚いた反応をされた訳ですよ。
で、飛び出してきた言葉が以下。
「1回でもダメージが通ったら、こっちの負けじゃないですか!」
……何か、クロック枚数で上回ったら、俺が遅延行為して時間切れタイブレイクに持ち込む事を前提で話が進んでいるんですが。
ジャッジの人も「全部キャンセルすれば良いんですよ」とか言ってるし。

結局、1分の試合時間延長が認められました。
手札に3枚目の《美春&音夢》があるので(トリガーでCXが出た時、ストックから控え室に送る用に握っていた)張り替えて、ソウル2×3体でフロントアタック×3回。
対戦相手にターンが回るぐらいに早く回したつもりだったんだけど、アタック3回とも全部通って、相手がLv4になって勝ちました。
まぁ、《美春&音夢》に張り替えたのを含めて、相手のデッキにCXが薄い事を知っていてのプレイングでしたけどね。

*1:少なくとも、アクエリではヘッドジャッジへの上告が可能であるが、そのようなアナウンスはなされない。下手するとフロアジャッジも上告制度を知らない事が有る。そんなジャッジ相手では、上告すらできない。「申し訳ないのですが、他のジャッジに確認を取ってもらえますか」的な言い回しをしないとならない。

*2:フロアルール 第1部 第2章「プレーヤーの責務と権利」 第2項「プレーヤーの権利」参照