今後のアクエリ改善について。

Q&Aの整備やルールサマリー・フロアルールの制定などは実現した。試合時間の延長やシングルエリミ・1本勝負の改善などの大会運営面の問題も、検討が始まっている。
これら意見は「他のTCGと同じ方法を取る」というコンセンサスの得やすい解決策が存在するから、提案しやすいし、ブロッコリーも受け入れる事ができたのだと思う。
で、他に改善が必要な問題として、カードデザイン・ゲームバランスがある。
これは、ルールや大会運営面と違って「他のTCGと同じ解決策」が存在しないから、コンセンサスの得られる提案がしにくい。

私個人の考えを少し書きなぐってみる。
○現状の問題
・エキスパンション・コンバートをすると言うのに、カードパワーを上げ続け、過去のカードの上位互換ばかり作っている。
・SagaI時代は、それこそエキスパンション毎に新しいギミック(=アタックコストバックとか、相手ファクターブレイクとか、3段目とか、特定の勢力なら分類を無視してブレイク可能とか)が導入されていたが、SagaIIではそれが極端に少ない。SagaIIになってリセットした後は、SagaIで使用したギミックをカードパワーを上げて順次投入していっただけである。しかも、SagaI時代と比べて投入ペースが速かった。
今の環境が面白くないと言われているのは、「魔術師の呪文」収録カードが、過去のカードの再録or既存カードのカードパワー上げただけばかりなので、デッキを試す幅が狭いからだ。
・分類間の特徴や勢力の特徴が消えている。
分類間の特徴に関しては、SagaI時代の青だと「分類ミスティックはフィニッシャーとなる大型ブレイクが充実しているが、チャージを持つキャラや軽ブレイクが少なくて足回りに難がある」「分類スカラーはチャージを持つキャラや軽ブレイクが充実してるが、フィニッシャーとなる大型ブレイクが乏しい」などと一長一短があってデッキを組む面白みがあった。SagaI時代の黒も「分類サイボーグは1F1Cチャージブレイクなどがあって補給線が太いが、1F0C2/4/2が無くて打撃力に欠ける。また、擬似レジスト黒を持った3F1C3/5/3が居てミラーマッチに強い」「分類ドラグーンは1F0C2/4/2などがあって打撃力は高いが、1F1Cチャージブレイクが無くて補給線が弱い」「分類イレイザーは1F1Cチャージブレイクと1F0C2/4/2が揃っているが、『電脳アイドル “A.R.I.C.I.A.” ver3.01』という天敵を抱えている。また、サイボーグやドラグーンと比べて優秀な3F1C3/5/3に乏しい」「アンドロイドはチャージキャラや1Fの2/4/2が充実しているが、攻撃力5以上のブレイクが居ない」という特徴があり、デッキを組むのが楽しかった。SagaI時代は、どの分類にもこのような特徴があり、また、新エキスパンションが追加される度に特徴が微妙に変化していた。分類の組み合わせの数だけデッキパターンが存在していた。
Saga3環境だと、分類鬼や分類ドラグーンや分類イレイザーに代表されるように、チャージ持ちキャラも軽ブレイクもフィニッシャーも充実してる分類と、そうでない分類の2分化してる。結果、デッキに使う分類の選択が画一化され、デッキパターンの幅が狭い。正直、Saga3スタイルだと先の3つの分類が強すぎて、他の分類でデッキを開発しようという意思が削がれる。
勢力間の特徴も同じで、白・赤・青のように「サイズ面で不遇な分、分類が少なくて安定してデッキが動く」勢力と、緑・黒のように「サイズ面で有利な分、分類が多くて使えるカードが分散しており、安定性が下がる」勢力と言うように特徴があった。
また、赤>青>緑>赤という感じで勢力間で強弱関係が設定されレジストなどもそれに従って配置されているが、『姫鬼神“鈴鹿御前”』や『七支刀』のような強力なカードが、勢力の強弱関係を逆転させている。
・6倍薄めのカード
同じスキル・エフェクト・アビリティの組み合わせを6勢力全てに出している。青や黒と、赤や緑を比較した場合、バインドやシールドなどの同じスキルでも、サイズなど勢力の特長によって効用に違いがある。
特に、敵対勢力に対するアンチカードに、この傾向が強い。敵対勢力アンチカードを作るなら、勢力の特徴を踏まえた使えるカードをデザインしないと、まず使われない。

○カードデザインに対する改善策案
MtGのブロック限定スキルの様に、定期的に新スキルを導入してはどうか? エキスパンション毎に新スキルを導入するのではユーザも大変なので、2エキスパンションに毎に導入ということとし、新スキルは導入されたエキスパンションと次のエキスパンションでのみ使うこととする。そうすれば、エキスパンション・コンバートと共に古いエキスパンションで導入さされたスキルは消えていくので、スキルが増えすぎる弊害は防ぐことができる。
・スキル自体のアイデアは枯渇してる訳ではない。他のTCGで使われてるスキルをアクエリに応用するだけでの、まだまだ開発の余地はある。MtGで言えば、フラッシュバックなりスレッショルドなり発掘なり、そのままアクエリに使えるギミックは幾らでもある。また、DMのシールドトリガーなどは「ダメージ判定でめくられた時に、何らかの効果を発揮するカード」「コストとして支払われた時に、何らかの効果を発揮するカード」とか幾らでもアレンジしてアクエリに導入可能である。

○ゲームバランスに対する改善策案
・ユーザによるテストプレイは施行方法に難は有るが、一定の成果を挙げているので、これを継続する(要は、テストプレイ前に提示されるカードのデザインがそれほど悪いと言う事だ)。意見のフィードバック方法などは、検討を要する。
・全国大会を何度か優勝したプレーヤーの方が、今の開発陣よりもアクエリというゲームに対する理解度は深い。彼らを有効活用することはできないか? 例えば、日本王者となったプレーヤーは翌年のCCに招待されているが、次のCCまでの間は大会に出る必要性が低くなる。この間に発売されるエキスパンションにテストプレーヤーとして携わってもらっても良いではないか? 最終的には、プレーヤーとして実績のある人間を開発スタッフに迎え入れる事も視野に入れる。
・「多段階ブレイクは、1段目ブレイクは2F2C/2段目は3F1C/3段目は4F0Cで、それぞれの段目のサイズは一緒。2段目と同じサイズに1段でなるブレイクは3F3C」「非ネームの軽ブレイクは、どの勢力でも能力が一緒ならファクター・コストは一緒」というサイズのコストの画一化をやめる。能力が少ないけど軽いとか、サイズと能力に相応のファクター・コストにするとか、ちゃんと調整する。軽ブレイクも、サイズ面で優遇されている緑・黒は1ファクターか1コスト重くするとかの配慮が必要。
・勢力間の均衡は取れて無くてよいから、新規エキスパンションが出る度にメタの中心に来る色が入れ替わるようなデザインにする。Saga3の「魔術師の呪文」が出ても緑・黒優位は変わらない、ってのはさすがにどうかと思った。